青銅鋳物の引け巣欠陥評価パラメータ値と潜熱放出過程の関係

大丸工業 丸 直樹
東京大学工学系研究科 岡根利光
同工博 梅田高照
日本非鉄金属鋳物協会 初谷 正

2000.05.22 日本鋳造工学会 第136回全国講演大会 講演概要

1.緒言

鋳造欠陥の予測を行う際に、その判断指標として温度勾配G、冷却速度R、G/√R、閉ループ法等が提案されている。前回は種々の条件を変えて解析を行い、この鋳造欠陥パラメータを評価した。なお、この時はG及びRを評価する固相率(通常、流動限界固相率と呼ばれている)は0.70〜0.95が適当であるという結論を得ている。凝固シミュレーションにおいては潜熱の放出過程を予め決めている。そこで、今回は潜熱発生過程を種々仮定し、G/√Rなどの引け巣欠陥評価パラメータ値を再評価し、適切な潜熱放出過程の把握に努めた。

2.実験・解析方法

熱電対を鋳型内にセットし、また、鋳型材として生型を使い、コンピュータによる解析が容易なように単純な形状の製品を選択し、2種類の方案で鋳造実験を行った。実験データから得られた冷却曲線から潜熱の発生過程を推測し、解析用のデータを作る。解析には有限差分法を使用し、凝固解析を行い、実験との結果を比較、検討する。

3.結果

今回の実験結果で得られた冷却曲線のひとつを図1に示す。これを見ると共晶温度と見られる傾向がある。計4回の鋳造実験を行ったがそのいずれの実験結果も同じような傾向を示した。これをもとに潜熱の放出過程を仮定してみた。ソフトウェアにおいてこれは固相率と温度の関係として、初期値として凝固温度区間内での潜熱分配の温度依存性は無しと定義されている。図2に今回実験より仮定した固相率と温度の関係と、ソフトウェアが初期値で定義しているものとの比較を示す。次に、このデータを使用して解析をかけた結果と、使用せずに解析をかけた結果(初期値)を比較してみたが、仮定したデータを使用したほうが、引け巣欠陥をより精度よく表示していることがわかった。

※ 本文中の図はこのページでは省略してあります